狼様の愛のカタチ理論





院長様や子供達からしたら、自己満足の行為かもしれない


けれど、私には自分の命よりもここが大切なんだ―…



「もう…沙優ってば」


院長様の言葉に何も言わない私に彼女は少し息をはいた


「沙優、自分を信じなさい」

「……っ」

「貴女なら、乗り越えられる。私はそう信じてるから。ううん、私だけじゃない、子供達だってそうよ?みーんな、信じてる」


「皆が、しん…じて、る?」

「えぇ」


院長様…こんな頼りない私を信じてくれるの?


自分を信じられないわたしを?


「……」


そっか…

院長様が信じてくれるなら…私、頑張りたい。


花嫁になる、それを伝えられないのは切ないけど、私には信じてくれる院長様や子供がいる


そう思ったら、スーと目から涙が引いていく



「院長様…」

「ん?」

「ありがとう、ございます…」


今まで育ててくれて、沢山迷惑かけたけど、私に沢山の愛情をくれて、ありがとう、ございます



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