狼様の愛のカタチ理論
扇李の素肌があたって、規則正しい心音に顔を埋めると、それを愛しそうに頭を大きくて、綺麗な手に撫でられて
「なぁ…」
「……ん…?」
扇李の呼びかけに小さく頷くと、扇李が口を開く
「あの日の約束、守れなかったな」
「…?」
「お前に触らない、名前を呼ばないってヤツだ」
「…あ」
それ、初めてキスした時に言われた事だ…
「あんな風に偉そうにいいながら、沙優の名前…何度呼んだか」
確かに…扇李は私を抱きながら沢山名前を呼んだ
耳元や、目を見ながら抱きしめながら沢山名前を呼ばれた
でも、それは私も同じで…扇李に呼ぶなと言われても…扇李の名前を沢山呼んだ
お互い様、だろうに謝る扇李に私はつい口元が緩むと
「…沙優」
「ん?」
少しだけ身体を話し扇李は私を見て再び抱きしめて、スゥと息を吸う
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