狼様の愛のカタチ理論






扇李との出会いは、思えば本当に偶然だった


私があの時、りんごを落とさなかったら扇李とは出会ってなかったんだから


その時から…好きだったなんて…


「もしかして…一目惚れ?」

一目惚れして、好きになったから…運よく印がある私を花嫁にしたの?

右汰達が言っていた、人間を花嫁にする掟…それを破ってまで?


そう思う私に扇李は目を細める

「まさか…我に限ってそれはない。第一…お前はそんなに美人じゃない。一目惚れするほど美人だと思っているのか?ナルシストにもほどがある」

「………なっ」

し、失礼な!!

そんな私を好きになったのは誰よ!…って、言いたいけど…それを堪えると


ふと、ある事が頭に浮かんだ。


「あれ…でも…ねぇ、扇李」

「なんだ…」

「私の事が最初から好きなら、なんで私にあんな態度ばかり取ってたの?」

「………」


無理矢理抱いたり、冷たかったり、優しかったり

睨んだり、私の味方って言ったのに信じてくれなかったり


どうしてもそのことがあると、疑いたくなる

あんなことをしておいて、好きだなんて信じがたい



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