狼様の愛のカタチ理論
「…行くな、話をきけ」
力強く抱きしめられて、身動きなんか出来なくて…
仕方がなく力を抜くと扇李は再び私の頭を撫でる
「我は、他の神より力も権利もある。だから、我自身を狙うなど、誰もできない。そうなると…奴ら我の大事なものを傷つける」
「………っ」
「だから、こそ…お前が好きだとしても…優しくなんか出来なかったんだ。我が沙優を大事にすれば、未来や他の者も黙ってるわけがない…我がお前を自ら花嫁にしても冷たくすれば、それを悟られない…そうするしか沙優を危ない目から守る方法がなかったんだ」
そう囁き、私の首筋に顔をうめる
「沙優が初めて我に涙を見せたとき、すぐにでも抱きしめたかった」
「……」
「だが、もしそれをしたら未来が今以上に沙優を傷つける…そんなのは許せなかったんだ」
次々と語られる扇李の思い
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