狼様の愛のカタチ理論
扇李…そんなに私のことを…大事に思ってくれてたの?
危ない目に会わせたくないから、冷たくしてた?
大事な存在だと知られたくないから?そんなに、私のことを…
「扇…李」
扇李の背中に手を回して軽く私も抱きしめ返す
「なのに、結局は「…もう、いいから」」
彼の言葉を遮り、背中を撫でると扇李は言葉を失ったように黙り込む
もう、いいよ…扇李の思いは痛いほど分かった
それに…
「…扇李ってそんなに私が好きなんだね」
「……」
私が大事で傷つけるって分かっていながら、あんなことをするなんて
扇李は辛かっただろうな…それを知らない私は、ただ冷たい扇李を嫌いだったり、恨んだり
好きになって、辛くて苦しかったり
彼の気持ちは考えなかった…大事な、相手を思いやる気持ちを
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