狼様の愛のカタチ理論
ここから見る景色も最後か…
夜になると、田んぼに月が反射して2つあるように見える景色が好きだったな
朝は朝で太陽の光が綺麗だった。昼になると、蝶々が飛んで夕方には沢山のトンボ
「………」
私が今から行く所に、太陽とか月はあるのかな?
でも、神様だから、雲の上となると見えるけど眩しすぎたりするのかな?
あ、でもそれならトンボも蝶々もいないか…
私にとって、未知の世界…想像すればするほど、色んな事が浮かんでくる
そう言えば、扇李がリンゴは自分の世界にないって言ってた…よね
他になにが無いんだろう…私が食べれるもの、あるかな…
「………」
あれこれ想像しながら、脚を抱え込むように座り地面をみる
この地の感覚も最後かもしれない
そう思い、地面に触れた時だった―…
ザワッ、と微かに木々が揺れるような風がふいて―…
「葉山…沙優様…でしょうか?」
「え?」
聞こえて来た声に顔をあげると、そこには一人の男性がいた
.