狼様の愛のカタチ理論
やっぱり、この世界で生まれて育ったから…そう思うのは人間の本能なのかもしれない
「…」
ただ、ボォーと景色を眺め私はゆっくりと歩き出す
特に私とサイさんの間に会話はないけど、それを気にすることなく歩続け
ザクッ、ザクッと雪を踏み締める音が響いて森を少しずつ抜けていき
森を出た瞬間に私はまたホッとした
「…変わってないな」
雪景色でも、私の記憶にある景色と目の前の景色は変わらない
40年が経過しても…建物や公園、商店街のお店
少し建物は古くなっているもの、雰囲気や空気は同じまま
「…どうですか?…40年経過してるとは思えないほど、変わってないですよね?」
「…はい」
私の1歩下がって歩くサイさんに頷くと、サイさんは少し歩くスピードを速め私の隣に並ぶ
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