狼様の愛のカタチ理論
「この町は本来なら40年後の今は存在してなかったんです」
「…………え?」
突然の言葉に脚を止めるとサイさんはニコリと微笑み、クルッと私に背中をむけて歩き出してしまう
な、なに今の…存在しなかった?それってどうゆう意味なの?
意味が分からなくて急いでサイさんに近寄り並ぶように歩くと…
「あれ、もしかして沙優ちゃんじゃない?」
「…え?」
名前を呼ばれて振り向くと、商店と掛かれた店から80歳くらいのエプロンを掛けたおばあちゃんが驚いたような表情で私をみる
この人…もしかして、巡る記憶をたどり
思い出したのは、よく私が子供達を連れて買い物をした時に声を掛けてくれた弥生おばさんだ…
歳をとっているが、面影はきちんと残っていて…
「やよっ!」
弥生おばさん!と叫ぼうとした瞬間
ガシッと腕を捕まれ、振り向けばサイさんが必死に首をふっている
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