狼様の愛のカタチ理論
第2章
神様の国
―――――……
「あの、サイさん…」
「はい」
「ここって、祠ですよね?」
施設を出てから、お互いに何も話さず、サイさんに連れて来られた場所は、以外にも裏山にある祠の前だった
神様の国だから、もっとこう…
魔法陣みたいのを使って移動するとか…飛んで空の上にいくとか、瞬間移動とか、そーゆうのを予想していたのに
全く期待と外れた場所に私は戸惑いを隠せない
「そうですけど、この祠について、扇李はなんと?」
「いえ、なにも。ただ、前に院長様から神様が宿っていてこの町を守ってるとか聞いた事があります」
確か、院長様はそう教えてくれたんだ
「なるほど。そうですね…確かにそれは正しいんですが、半分は違います」
「半分、ですか?」
「はい」
サイさんは頷いて、祠の前に立つ
「この祠は、人間界と我々神の国"天界"を繋ぐ祠なんです」
「…」
「何千年も前から、この祠はあり代々この祠は神によって守られて来ました。最近、ここを立ち入り禁止にしたのも我々です。人間にこの祠を壊させるわけにはいきませんので」
「じゃあ…ここに神様がいるってのは本当なんですね」
「はい。違うのはこの町を守る神ではなく、この祠があるからこそ、祠を守るためにこの町に神がいる、そーゆうことです」
「……」
な、なるほど。要は、この町のためじゃない。
祠を守るだけにいるってことか。
サイさんは私に気を使って柔らかく言ってくれてるけど、それが事実だ
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