狼様の愛のカタチ理論





「そ、そうですか」


扇李の花嫁に…か


扇李って、本当になんなんだろう…


だけど、"様"は本当になれないけど、サイさんの様子からして多分私の要望は聞いてもらえないだろう


半ば諦めると、サイさんは私に片手を差し出してきた


「では、参りましょう。我々の国に」

「……………あ」


「すぐに着きますから、目を閉じて私の手を触れていて下さい」


優しい言葉使いで言われ、私はサイさんの手に触れる


「天界に行きましたら、二度と人間界には戻って来れません。慣れない土地はきっと沙優様を苦しめます。ですが、扇李も私もいます、ですからご心配しないで下さい」


「サイさん…」


なんか、そう言ってくれるのは凄く嬉しい


「宜しく、お願いします」


そう言い、私はゆっくりと目を閉じた―…





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