狼様の愛のカタチ理論
そして…
―――――…
―――
そして、私にとって数十日ぶりの院長様にとっては40年ぶりの再開をはたし
私たちは、それぞれ帰るべき場所に帰った
またいつか…再び会う約束をして…少し寂しい気持ちになりながも
会いに来てくれる、その言葉を信じて扇李とサイさんと一緒に…天界に帰った
天界に到着すれば、真っ暗で月明かりを頼りに宮殿につくと右汰や左汰が迎えに来てくれて
事の事情を説明してから私は扇李に連れられて彼の部屋に向かった
部屋に着けば私を後ろからギュと抱きしめそのままソファーに座り全く離そうとしない扇李に少しため息が出た
「扇李…いつまでこうしてるの?」
かれこれ1時間はこの体勢だ
ベッドに入るでもなく、触るでもない…
何もしないでただお腹に手を回しただけの扇李の手をそっと触る
「嫌か?」
「いや…じゃない」
扇李にこうされるのは落ち着く。扇李の香りや背中越しに感じる心臓のおとが私の気持ちの安らぎだから
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