狼様の愛のカタチ理論

扇李の視線

どのくらい時間がたっただろうか


サイさんと街を歩いてしばらくしてから私達は宮殿についた


宮殿は近くで見ると物凄く大きくてあまりにもの圧迫感に緊張しながらサイさんに続くと


宮殿の前に全身真っ黒なマントをかぶり顔を隠した人達がいてサイさんは彼等に軽く挨拶を交わして宮殿の中に入った








「あの、今の人達は…誰なんですか？」


ドアを閉めて、階段を昇るサイさんに言う


「はい、彼等は宮殿やこの地の見回りをするものです。飛護隊(ひごたい)と言い彼等はみな猫の血を引く神です」


ね、猫…？


「門番以外は猫の姿で見回っています。身体もそのほうが小さいですし、色々と監視をしやすいので」


なるほど。動物の姿には戦闘の時って言っていたけど、そーゆう使い方も出来るんだ…



「それはいいのですが、沙優様？」


変に納得してる私にサイさんが突然振り向く


「は、はい？」

「着物は一人で着られますか？」


……着物？


「あ…まぁ…そんな豪華な着物は無理ですけど…普通に普段着るような簡単な物なら…出来ます」


院長様に教わって、お参りや夏祭りには子供たちに着せていたから、ある程度なら出来る



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