狼様の愛のカタチ理論
―――――……
王の間の前には、宮殿の前にいた人達と同じく黒いマントを被る神がいて私の姿をみるなり、膝をついて私を見上げる
「お名前を」
「葉山…沙優です…」
見上げる顔はさっきの神達とは違いハッキリ見える
黄色い瞳に大きくてまん丸の目
唇は薄く、見た目だけなら幼い子供のように見えるけど、身長は高くスラッと細身の男性二人
サイさんは猫の神様って言っていたけど、本当に猫顔だ…猫になった姿が見てみたい、そんな事を思っていると…
「お待ちしておりました。中へお入り下さい」
彼等は私に再び頭をさげ機械的な口調で言葉を放つとその背後にある扉をゆっくりと開けた
「中にまでは私(わたくし)がご一緒させて頂きます。一葉(いちよう)と申します。沙優様、私の後ろをお歩き下さい」
「は…はぃ」
一葉さんに頷き、私は彼が中に入ってから後を続くように王の間に足を踏み入れた
王の間の中は幾つもの柱が並び、その中心にヴァージンロードのような赤いカーペットが敷かれていて私達はそこを歩く
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