狼様の愛のカタチ理論
少し薄暗く、大きい硝子からは光がさしていてそれだけがこの部屋を照らしてるようだ
そして―…
王の間に入って少し歩いた時―…
「…ようやく来たか」
低く、威圧感のある声が部屋中に響いた…
「扇李、沙優様をお連れ致しました」
マントのフードを外して頭を下げると、一葉さんはすぐに私の背後に移動してその場所にたたずむ
「……っ」
そんな彼をみて私は真っ正面を見ると、私の目の前には、夜と変わらず
赤く長い髪をたらし黒い着物に赤い羽織りをはおり、高い位置にある玉座に肘をたてながら私を見下ろす扇李
その下には黄緑色の公家の衣装を身にまとう数人の神達がいた
「………あ」
まるで…今まで会った扇李とは違う、"王"そんな威厳を放つ扇李に私の身体は無意識に震えながらも、その場所にそっと腰を沈める
.