狼様の愛のカタチ理論
「ほぉ、この娘が扇李の新しい花嫁ですか」
「王を前に腰を下ろすとは、人間にしては躾が出来ているではないか」
「ですが、容姿が美しくない。前の花嫁候補のほうが断然美しい」
「確かに、王の花嫁の立場でありながらみすぼらしい姿だ」
クスクスと笑いながら、彼等は明らかに聞こえるような声で私に野次を飛ばす
「扇李、このような人間の花嫁でよろしいのですか?」
「そうです。人間界にはもっと美しい女性はいます。人間にこだわらなくても神の女でも宜しいのでわ?」
「…………っ」
う、美しくなくて悪かったわね…
彼等の言う通り、私は特別綺麗じゃないし、スタイルだっていいほうじゃない。そんなの分かってる。
だけど、なんで初対面の彼等にこんなにバカにされなくちゃいけないの?
恐怖を感じていたのに、反対にムカムカしてきて、私は思わずうつむき着物をギュと握りしめる
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