狼様の愛のカタチ理論




まずい、まずい!確実に自分の身が危ない!


チラリと一葉さんを見ると"見るな"そう言いたそうな顔で私から視線を反らしてしまう


そんな…!


「待って…扇っ!」


「待って?お前の願いをきく必死が我にはない」

グイッと顎を掴まれ、正座をしていた脚が崩れて後ろに手をついてしまう


「奴らに脱がされるより、我のほうがよかろう」

扇李が膝をつき、私に迫るように近付いてくる


そんなの、誰にされたって嫌だ!子供を産まなくちゃいけないのは分かってる


だけど、今こんなことする必要なんかないのに!


「いっ…や」

「女、顔をあげろ」


扇李から顔を背けてもすぐに、それを元にもどされて…彼の視線が突き刺さる



冷たい、冷酷、優しさの欠片もない真っ黒な瞳


なんで、そんな目で私をみるの?


手を差し出して、優しく背中をさすってくれた扇李とはまるで別人みたいだ



.
< 72 / 550 >

この作品をシェア

pagetop