狼様の愛のカタチ理論
まずい、まずい!確実に自分の身が危ない!
チラリと一葉さんを見ると"見るな"そう言いたそうな顔で私から視線を反らしてしまう
そんな…!
「待って…扇っ!」
「待って?お前の願いをきく必死が我にはない」
グイッと顎を掴まれ、正座をしていた脚が崩れて後ろに手をついてしまう
「奴らに脱がされるより、我のほうがよかろう」
扇李が膝をつき、私に迫るように近付いてくる
そんなの、誰にされたって嫌だ!子供を産まなくちゃいけないのは分かってる
だけど、今こんなことする必要なんかないのに!
「いっ…や」
「女、顔をあげろ」
扇李から顔を背けてもすぐに、それを元にもどされて…彼の視線が突き刺さる
冷たい、冷酷、優しさの欠片もない真っ黒な瞳
なんで、そんな目で私をみるの?
手を差し出して、優しく背中をさすってくれた扇李とはまるで別人みたいだ
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