狼様の愛のカタチ理論



嫌な、懐かしい匂い?それって…私が臭いってこと…?

急いで自分の服の匂いを嗅いでみても特にわからない

洗濯だって毎日してるし汗くさいとも考えられないのにっ

どうして!?


チラリと目の前の彼をみると、フッと鼻で小馬鹿にするように笑われる


「そーゆう意味じゃない」

「?」


そう言うと、私の手の上にリンゴをのせてから彼は首を傾げながらリンゴを指さす


「それより、それはなんだ?」


「…え?」


突然、話しを変えられた事にびっくりしながらリンゴを見つめた

なにって…


「りんご、ですけど…」

「りんご?食べ物か?」


「は、はい…あの、食べた事ないんですか?」


しかもりんごを知らないとか…本当に日本人なの?

いや、長身にあの容姿だ。だから外国人とか?


「ない。俺の国にはそんなものはない」


俺の国って…この人は大丈夫なんだろうか。それともどこかの王宮の王子様とか?


色々と考える私とは対象に手の上のりんごをじーと眺めてる

もしかして…


「あの、これあげましょうか?」


「?」


きっと、欲しいんだと思う。初めてみた物が食べれるのなら食べてみたいもの



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