狼様の愛のカタチ理論

とりあえず…この危機を乗り越えるにはどうしたらいいの？


病気のふり？


「………」

それとも、生理だって嘘をつくとか？


「………」


もしくは……逃亡？



頭にそんな事が浮かんで思わず扉を見るけれど…


「………あ」


そうだ、私には帰る場所がないんだ。逃亡なんてしたら逆に捕まって痛い目に合う


なら…どうしよう。


腕を組んで、あれこれ考えいると突然、ガチャとドアが開く音が響き、そこにはサイさんがカートを押しながら部屋に入ってくる




「あれ…サイさん？」


思わぬ人に私は彼をみるとドアをしめて、カラカラと音をたてながら私の横に立った


「沙優様、お食事をお持ち致しました」


「は、はい。有難うございます…あの、一葉さんは？」


さっきまで一緒だったのが一葉さんだったから、てっきりまた一葉さんが来ると思っていたのにサイさんでびっくりだ



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