狼様の愛のカタチ理論





確か、サイさんは色々と用事があるっていなくなったわけだし、終わったのかな?


そう私が首をかしげると、サイさんはテーブルにスープとサラダにパンを並べながら口を開く



「はい。私の仕事が終わりましたので、一葉には自身の持ち場に戻って頂きました」


「あ、そうなんですか…」


そ、そっか。もう一度一葉さんと話したかったけど、しょうがないか


たぶん、また王の間の前まで行けば会えるだろうし


サイさんの言葉に頷くと彼は食事を並び終え、座る私に声をかける


「あの、沙優様」

「はい?」

「一葉から、すべて聞きました」


「…え?……あ」


"すべて"とはきっと、王の間で起こった出来事のことだろう


「そう、ですか…すみません…サイさんに心配かけたのに、こんな結果になってしまって」


「いえ、それは仕方がないことです。ですが…沙優様はきっとイヤな思いをしたと思います。皆に変わって私が頭を下げます」


そう言うと、今までになく深々と頭をさげるサイさん



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