狼様の愛のカタチ理論
「い、いや。本当に大丈夫ですから!」
毎回なにかあれば頭を下げてくるサイさんに恐縮してしまう
「それより…わたし、別のことが心配なんです」
「別のこと、ですか?」
「はい」
さっきまで、考えていたけどサイさんが来て頭から抜けていたこと
それは、今夜のことなんだけど…
「えっと、なんて言いますか」
「はい?」
サラっと綺麗な髪が流れて紫色の目で私をみながら首を傾げるサイさん
うっ…
やっぱり…男の方にそんなこと聞けない!
いくらサイさんでも、今夜扇李としなくちゃいけないんですか?
なんて、本人ならまだしも、聞きたくても聞けない!
「やっぱり、なんでもないです…わ、わぁ…美味しそうなスープ!」
並べられてる白いスープを眺め話しをそらすと、サイさんはさらに不思議そうな顔
「あ、はい。それは、ビシソワーズです。美味しいので是非口に合えば嬉しいのですが」
「食べても、いいですか?」
「はい。是非」
「じゃあ、頂きます」
手を合わせて、そう言いスプーンを手にそれを口にする
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