狼様の愛のカタチ理論






そんな、扇李の後ろ姿が憎くてたまらない


用が終わった、なんて、私は扇李のオモチャなんかじゃないんだ―…



あんな男、わたしは―…










「…らいっ」

「あ?」

「あんたなんかっ!」

扇李なんて…

「大っ嫌い…っ」


小さく、迫力のない言葉だけど…そう私が呟いた瞬間、扇李の動きが止まり私を振り替える


「…………」


また、あの冷たい視線で私をみながら音も立てずに私の前にたつ



「……っ」


見下ろされるなんて、いい気分じゃない


だけど、彼が"大っ嫌い"それだけは本当だから…負けじと私も彼を睨む


「…ほぉ、嫌いか」


「…っ!」


グイッと顎を掴まれる


「嫌い…大っ嫌い…っ」

「…………」

「扇李なんか、嫌いっ」

「………へぇ」


「…っ」


「別に、お前に好かれようなんて思ってない。嫌いならそれでいい。だが、お前が我の花嫁であることを忘れるな。それは何があっても変わらぬ」



「…っ」


そういい、乱暴に顎から手をはなして、それ以上なにも言わないままドアを開けて、バッタン!と大きい音を立てて部屋から出て行った



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