放課後は、秘密の時間…
「好きだけど、でも、」

「俺も好きだよ」


言葉と一緒にまた深く口付けられて、それ以上続けることはできなかった。


こんなこと、大也は無理矢理しない。

いつだって、優しく包み込んでくれるのに。


怖いっ……

あたしの知ってる大也じゃない。


「やめてっ……こんなの、大也らしくないよっ……!」


その胸を夢中で押しのけたのと同時に、突然、肩をぐっと強く掴まれた。

冷たい目をした大也が、薄く笑顔を浮かべてる。


「俺らしいって何?」

「だい、や……?」

「俺だって男だ。好きな女抱きたいって思うし、お前がっ……」


眉を寄せて苦し気に歪んだ大也の表情。


「お前が他の男のものになるの、黙って見てられねぇんだよ!」

「――っ……」


まるで、言葉が胸に突き刺さったみたいに痛い。

たった一瞬で浮かんだ汗がやけに冷たく感じる。


なぞるように首筋に触れた大也の指は、ある一点に触れて止まった。


「このキスマーク、誰につけられた?」

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