放課後は、秘密の時間…
第十一章 別離
――あのあと。
一睡もできないまま、あたしは朝を迎えた。
赤く腫れていた目も、今はいくらか落ち着いている。
重い足を引きずって学校へと向かうと、いつものように生徒が声を掛けてくれる。
「センセ、おはよ!」
「おはよう……」
生徒の前で、こんな暗い顔してちゃダメだ。
プライベートと仕事はべつなんだから。
無理やりにでも笑顔を作って、いつもと同じように振舞ったつもりだけど……
それが上手くできてるかどうかを気にする余裕は、あたしにはなかった。
「先生、おはよう」
声でわかる。
後ろにいるのが、市川君だって……
「おはよう」
挨拶を返すと、市川君はにっこりと笑った。
「朝から先生に会えるなんて、すげーラッキー」
そう無邪気に言う市川君を、まっすぐに見れない。
『あかり……何でだよ……』
昨日の大也を思い出して……
胸が苦しくなって。
「先生?」
あたしは覚悟を決めて、口を開いた。
一睡もできないまま、あたしは朝を迎えた。
赤く腫れていた目も、今はいくらか落ち着いている。
重い足を引きずって学校へと向かうと、いつものように生徒が声を掛けてくれる。
「センセ、おはよ!」
「おはよう……」
生徒の前で、こんな暗い顔してちゃダメだ。
プライベートと仕事はべつなんだから。
無理やりにでも笑顔を作って、いつもと同じように振舞ったつもりだけど……
それが上手くできてるかどうかを気にする余裕は、あたしにはなかった。
「先生、おはよう」
声でわかる。
後ろにいるのが、市川君だって……
「おはよう」
挨拶を返すと、市川君はにっこりと笑った。
「朝から先生に会えるなんて、すげーラッキー」
そう無邪気に言う市川君を、まっすぐに見れない。
『あかり……何でだよ……』
昨日の大也を思い出して……
胸が苦しくなって。
「先生?」
あたしは覚悟を決めて、口を開いた。