放課後は、秘密の時間…
だって、昨日まであたし達は一緒に放課後を過ごしてた。


最初は、もちろん無理矢理だったけど……

でも今は――そうじゃない。


あたしも市川君と過ごす放課後を、毎日楽しみにしてたから。

自分の気持ちを自覚してからは、なおさら……


口に出しては言わなかったけど、きっと市川君も、それはうすうす感じていたと思う。


「昨日まで一緒にいたじゃん?なのに何で急に、」

「急じゃないよ……」

「……先生?」

「急じゃない!いつか、こんなこと終わらせなきゃってずっと思ってた!」


でも、市川君と一緒にいる時間が楽しすぎて……

言えなかったんだよ?


市川君が、あたしに好きだって言う度に気持ちが大きくなって……

大きくなりすぎて。


どうしても、止められなかったんだよ……


「もうあたしに構わないで」

「何だよそれ!?ちゃんと説明してくんなきゃわかんねぇよ!」


お願いだから……

「もう来ない」って頷いてよ。


市川君にこれ以上、ひどいこと言いたくないの……


「俺、先生に嫌われるようなこと、なんかした?」

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