放課後は、秘密の時間…
逆だよ……?

好きにさせるようなことばっかり、してきたよ。


でも、そんなこと言えない。


「昨日キスしたこと、怒ってんの?だったら、絶対もうしねぇしっ……」


やめてよ。


「今まで通り、放課後美術室の掃除するとか、そんなんでいいから!」


お願いだから。


「俺、それ以上求めたりしねぇよ。だから、」

「迷惑なの!」


叫んだ瞬間、市川君が言葉を止めた。

あたしの口からは、どんどん言葉が漏れていく。


「ずっと、迷惑だったの!」

「先生……」

「実習校の生徒だから今まで付き合ってきたけど、もううんざりしてるの!」

「本気で、言ってんの?」


彼らしくない、弱々しい声。


「先生、俺の顔見てよ?ちゃんと目見て話してよ?」


なぁ、と両肩を揺すられる。

胸が張り裂けそうに、キリキリ痛む。


でも、今、逃げ出すわけにはいかない。

あたしは、市川君の目を見て、ハッキリと言った。

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