放課後は、秘密の時間…
大也の言葉が信じられない。


だって今、何て言った……?


「ちゃんと聞こえた?俺、お前と別れないから」

「なん、で……」

「たかがキス一つで別れたくねぇ」

「あたしのこと、許してくれるの……?」


市川君を好きになってしまったあたしを、大也はまた受け入れてくれるの?

キスした瞬間を、その目で見たっていうのに。


「さっきも言っただろ?お前を攻めるつもりはないよ。ただ……」

「ただ?」

「俺に少しでも悪いと思ってるなら、二度とするな」


普段、落ち着いた話し方をする大也が、こんな風に強い口調で話すことは珍しい。

それだけ、大也は怒ってるんだと思う。


本当は、あたしのことを、メチャクチャになじりたいくらいに……


そうだよね……

あんなことがあったのに、そう簡単に許せるはずない。


「本当に……ごめんなさい……」

「いいよ、もう謝るな」


俯いたあたしの頬に、大也の手が触れた。

そのまま、上を向かされる。


「もう一回、やり直そう」

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