放課後は、秘密の時間…
第二章 宣言
「お疲れ様でした。お先に失礼します」
残ってる先生方に挨拶をして、あたしは職員室を出た。
廊下を通り抜けて、職員玄関から一歩出た瞬間、大きなため息がこぼれていく。
――結局、あのあと。
職員室に戻ったと同時に、「明日授業やってもらうから」なんて、指導教官の谷村先生に突然言われて。
市川君とのことを言うタイミングを、完全に逃しちゃったんだ。
……それに。
やっぱりあんなこと、誰にも言えないよ……
心の中に広がっていく、重い気分。
こんな風に不安になったり、泣き出しそうになったりしたときに会いたくなるのは、ただ一人。
大也……
カバンの奥に入ってる携帯電話を取り出して、とりあえず電源を入れた。
時間は、8時をちょうど過ぎた頃。
あたしと同じように教師を目指して、今は他校で実習をしてる大也。
きっと、始まったばかりの実習で忙しいよね?
まだ家に帰ってない可能性だってある。
電話なんかかけたら迷惑かな……
でも、大也の声が聞きたいよ。
どうすることもできなくて、歩きながら携帯電話を見つめていると、突然、それが手の中で振動した。
『着信中 大也』
残ってる先生方に挨拶をして、あたしは職員室を出た。
廊下を通り抜けて、職員玄関から一歩出た瞬間、大きなため息がこぼれていく。
――結局、あのあと。
職員室に戻ったと同時に、「明日授業やってもらうから」なんて、指導教官の谷村先生に突然言われて。
市川君とのことを言うタイミングを、完全に逃しちゃったんだ。
……それに。
やっぱりあんなこと、誰にも言えないよ……
心の中に広がっていく、重い気分。
こんな風に不安になったり、泣き出しそうになったりしたときに会いたくなるのは、ただ一人。
大也……
カバンの奥に入ってる携帯電話を取り出して、とりあえず電源を入れた。
時間は、8時をちょうど過ぎた頃。
あたしと同じように教師を目指して、今は他校で実習をしてる大也。
きっと、始まったばかりの実習で忙しいよね?
まだ家に帰ってない可能性だってある。
電話なんかかけたら迷惑かな……
でも、大也の声が聞きたいよ。
どうすることもできなくて、歩きながら携帯電話を見つめていると、突然、それが手の中で振動した。
『着信中 大也』