放課後は、秘密の時間…
だ、大也っ……!?


「もしもしっ?」

『あかりー?俺。今、大丈夫?』

「うん……へいき」

『良かった。って、べつに用事とかないんだけど』


だいや、だ。

本当に本当に大也だ……


大也の声を聞いた途端に、あたしの目に涙がたまり始めた。

鼻の奥がツーンとしてくる。


『なんか、声聞きたくなってさ』

「……うん……たしも」

『あかり?どうかしたか?』

「ううん、何でもない。ちょっと……疲れてるだけっ!」


涙声を必死に隠して、あたしはなるべく元気な声で返事をした。


心配なんかかけられない。

キスされたなんて絶対言えない。


大也は優しいから――……


きっと、自分のことなんか放り出して、あたしのとこまで来てくれるよね?

どんなに忙しくても、あたしのことを一番に考えちゃうよね?


今の大切な時期に、そんなことさせられないよ……


『それならいいけどさぁ、無理しすぎるなよ?お前、頑張りすぎるところあるんだから』

「大丈夫だよぅ。大也こそ寝坊してない?朝、弱いでしょ?」

『それ言うなよな~』

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