放課後は、秘密の時間…
「先生の料理、本当ウマイ」


まさか、こんなに喜んでくれるなんて思ってなかったから……

すごく嬉しい。


市川君の向かい側で、あたしも自分のお弁当を食べた。


少し恥ずかしくて照れくさいような、くすぐったい気持ちが胸の奥にあって。


二人きりでご飯を食べるのはこれが二度目だけど、一度目とは比べ物にならないくらい、心臓が激しく動いてる。


「先生、何照れてんの?」

「……照れてない、よ」

「顔赤いけど」

「嘘っ」


思わず両手で頬を触ると、市川君が声を上げて笑い出した。


「嘘だよ」

「ひどいっ!からかうなんてっ……」

「だって先生、カワイすぎ」


カワイイなんて言葉で、ごまかされないんだからね?


そう言おうと顔を上げた瞬間に、唇に降りてきた突然のキス。


「デザートは先生のキス、なーんてな」

「――ば、ばかぁっ!」


これ以上ドキドキしたら、心臓壊れちゃうよぉ……


そんなあたしの気持ちなんか知らないで、市川君はケラケラ笑ってる。

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