放課後は、秘密の時間…
ご飯を食べ終わって、まったりとした時間の中。

あたしは覚悟を決めて、口を開いた。


「あのね、市川君……」

「ん?」

「ちょっと、話があって」


こんな話したら、市川君は気分を悪くするかもしれない。

でも、ちゃんと言わなきゃ……


「その……あたし、市川君のこと、す、すき……だけど、」


あたしのバカ!

照れてる場合じゃないのに……


続きを言おうとすると、市川君が先に話し始めた。


「先生の実習が終わるまで、待ってるよ」

「え?」

「そういう話だろ?ちゃんと付き合うのは、実習終わってからって」

「どうして、わかったの……?」


ポツリと呟いたあたしに、市川君がくすくす笑う。


「わかるよ、それくらい」

「……市川君」

「先生、今は先生だもんな。だから、実習終わって先生じゃなくなったら――」


まっすぐな目が、あたしを見つめてる。


「俺と、付き合って下さい」

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