放課後は、秘密の時間…
市川君の答えを聞くのが、怖い。


大也のことをうやむやにしたままで、あんな風に告白したあたしを……

市川君は、どう思ってるんだろう?


彼氏がいるくせに、他の人を好きになるような軽い女。

そんな風に思われたら……


まっすぐに市川君を見れなくて、視線を逸らしたあたしに、


「――待ってるよ」


そう、ハッキリと言った彼。

大丈夫だから、と頷いてみせる。


「先生、俺のせいでいっぱい悩んだよな」


少しだけ悲しそうな目をした市川君に、首を振った。


本当は、すごく苦しかった。

大也への想いと、市川君への想いに挟まれて。


でも、それは市川君のせいじゃないよ。

全部、市川君に惹かれてしまったあたしが招いた結果だもの。


「最近いつも赤い目してたの、俺知ってるよ。毎日、泣いてたんだろ?」

「……泣いて、ないよ」

「先生、もう嘘つかなくていいんだよ」


優しく抱きしめられて、視界が滲んだ。


「俺、先生のこと本当に好きだから……いくらでも待てる」

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