放課後は、秘密の時間…
呆然としているうちに、会話はどんどん進んでいく。


「拓真に落ちねぇ女はいないだろ。こいつ、百戦錬磨だぜ?」

「だよなぁ。上も下もバッチリってか?」

「今まで、何人の女が泣かされたことか」

「お前ら、うるせぇよ」


市川君が、少しだけイライラしたように答えた。


どういう、ことなの……?


この先のことなんか聞きたくないのに、すぐにでもこの場から離れたいのに……

今の話を、確かめたいと思ってるあたしもいる。


「ってことは、賭けは俺らの負け?」

「つまんねぇや。いっつも拓真の一人勝ちだもんな」

「誰だよ、こいつに二宮落とせっつったの」


落とすとか、賭けとか……何の話、なの?


まさか、市川君はあたしのこと――


「で、結局、二宮とどうなったんだよ?落とした?」


問いかけられて、市川君は――……


「ああ……」


ハッキリと、頷いた。


足が勝手に、後ずさりしてしまう。


「――あれ、あかりちゃん?」

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