放課後は、秘密の時間…
手の甲に重ねてる大也の指に、かすかに力がこもる。
「これは……俺からお前への最後の誕生日プレゼント」
分かってたけど、『最後』の一言が悲しくて――
「幸せになれよ、とはさすがに言えねぇけど……頑張ってこい」
少し涙声の大也。
その表情は滲んで見えない。
大也はどんな気持ちで、市川君のところへ行けって言ってくれた?
それを思うと、止むどころか、涙はどんどん溢れて。
大也を好きだった分だけ、今がすごく苦しい。
「だい、や……り、がと」
「礼なんか言うなよ」
「……っ……」
「泣かないで。――ほら、行け」
あたしの背中を、優しい手がそっと押した。
二年半、ずっと一緒にいた大也。
最後の最後まで、あたし、大也に助けられてばかりだったね……
「――じゃあな、あかり……」
こんな泣き顔を見せたら、きっと大也は心配するから。
背中に掛けられた声に振り向かずに頷いて、あたしは歩き出した。
もう一度、彼のところへ行くために――……
「これは……俺からお前への最後の誕生日プレゼント」
分かってたけど、『最後』の一言が悲しくて――
「幸せになれよ、とはさすがに言えねぇけど……頑張ってこい」
少し涙声の大也。
その表情は滲んで見えない。
大也はどんな気持ちで、市川君のところへ行けって言ってくれた?
それを思うと、止むどころか、涙はどんどん溢れて。
大也を好きだった分だけ、今がすごく苦しい。
「だい、や……り、がと」
「礼なんか言うなよ」
「……っ……」
「泣かないで。――ほら、行け」
あたしの背中を、優しい手がそっと押した。
二年半、ずっと一緒にいた大也。
最後の最後まで、あたし、大也に助けられてばかりだったね……
「――じゃあな、あかり……」
こんな泣き顔を見せたら、きっと大也は心配するから。
背中に掛けられた声に振り向かずに頷いて、あたしは歩き出した。
もう一度、彼のところへ行くために――……