放課後は、秘密の時間…
第十八章 相愛
手の中にある、小さな切符。

それと一緒に、大也はあたしに勇気をくれた。


市川君と向き合う勇気を――……



電話ごしに聞いた市川君の必死な声。

駅まであたしを追いかけてきてくれた姿。


もう一度、彼を信じたい。


彼の気持ちが分からなくて、逃げ出してしまったあたしだけど……

もしも、まだ間に合うのなら。


ちゃんと気持ちを伝えたいんだ。


――あたしは、やっぱり市川君が好きなんだって……


どこが、なんて言えない。

全部が全部、好きで好きで、たまらないの。


市川君が、ゲームであたしに近づいたんだとしても……

それでも、あたしは嬉しかった。


一緒にいたあの時間は、あたしにとって大切なものだったことには変わりない。

そんな簡単なことに、どうして気付けずにいたんだろう?


本当のことを聞くのは少し怖いけど、でも、このままじゃいけない。


今、市川君に会わなきゃ、あたしはきっと、今日のことを一生後悔すると思う。

それに、頑張れって言ってくれた大也の気持ちにも、ちゃんと応えたいから。


大也から貰った切符を手に、あたしは電車に乗り込んだ。

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