放課後は、秘密の時間…
自分の気持ちに気がついてから、俺はすぐ次の行動に出た。


タイムリミットは、先生の実習が終わるまで。

それまでに、どうにかして、先生を俺のものにしたい。


――俺だけの先生になって欲しい。


そのためには、手段なんか選んでられなかった。


放課後、嘘ついて呼び出して、強引にキスして。


「ねぇ先生?こんな写メ出回ったら、大変なことになるんじゃない?」


自分でも、最低なことしてるって自覚はあった。

こんな、脅しみたいなこと。


案の定、先生は涙を必死にこらえて、俺を睨みつけてる。

もう、完全に嫌われたよな。


でも、普通に近寄ったって、生徒として覚えられて、いつか記憶の中から消えてくに決まってるんだ。

それなら、こんな方法でも、先生の中に、俺っていう存在を残したかった。


しかも、先生は「彼氏いるよ」なんて、赤くなりながら、嬉しそうに言うし。


あの時の俺は、内心、すげー焦ってた。

見たこともないその「彼氏」ってヤツに、嫉妬さえしてたくらいだ。


そんな中した、人生初の告白。


「先生、俺と付き合ってよ」


もちろん、結果なんてこれ以上ないってくらい、最悪なもんだったけど。


とにかく俺は、先生との接点を、無理矢理手に入れたんだ。

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