放課後は、秘密の時間…
先生が「来るな」って言わないのをいいことに、俺は毎日美術室へ通った。
一日の中で、放課後が、俺にとって一番大切な時間だった。
――先生には、言わなかったけど。
この頃には、無理矢理キスしたあの写メは、削除してたんだ。
こんなもので脅して、先生のこと、また傷つけたくないって思ったから。
俺なりのケジメのつもりだった。
そんな日々が続いて、先生との距離も少しなくなったと感じた頃――……
「美術室には、絶対来ないで」
視線を彷徨わせて、弱々しく呟いた先生。
様子がおかしい。
ていうか、昼休みに会議があったなんて、嘘下手すぎだろ?
そう思って、放課後、美術室を覗きに行った俺は……
体中の血が、一気に逆流するような怒りに襲われた。
服を脱がされた先生の上で、ズボンのファスナーを下ろしている男。
先生は目をつぶってぐったりとしたまま、ピクリとも動かない。
俺の視界は真っ赤になって、もう何も聞こえなかった。
「……市川、許して、くれ……もう、二宮先生には近づか…ないから……」
はっと我に返ると、倒れたそいつが鼻血を拭って、切れ切れに懇願していた。
右手の甲がジリジリと痛む。
人を殴ったのは、初めてだった。
一日の中で、放課後が、俺にとって一番大切な時間だった。
――先生には、言わなかったけど。
この頃には、無理矢理キスしたあの写メは、削除してたんだ。
こんなもので脅して、先生のこと、また傷つけたくないって思ったから。
俺なりのケジメのつもりだった。
そんな日々が続いて、先生との距離も少しなくなったと感じた頃――……
「美術室には、絶対来ないで」
視線を彷徨わせて、弱々しく呟いた先生。
様子がおかしい。
ていうか、昼休みに会議があったなんて、嘘下手すぎだろ?
そう思って、放課後、美術室を覗きに行った俺は……
体中の血が、一気に逆流するような怒りに襲われた。
服を脱がされた先生の上で、ズボンのファスナーを下ろしている男。
先生は目をつぶってぐったりとしたまま、ピクリとも動かない。
俺の視界は真っ赤になって、もう何も聞こえなかった。
「……市川、許して、くれ……もう、二宮先生には近づか…ないから……」
はっと我に返ると、倒れたそいつが鼻血を拭って、切れ切れに懇願していた。
右手の甲がジリジリと痛む。
人を殴ったのは、初めてだった。