放課後は、秘密の時間…
その後、そいつが先生に何をしたのか、無理矢理はかせて……

全てを知った俺は、意識のない先生を、ただ抱きしめた。


なぁ、先生。

何で俺のことなんか、かばったんだよ?


今まで、すげー困らせて、泣かせてきた俺を――

こんなになるまで、守る必要なんかねぇじゃんか……


先生、お人好しすぎんだよ。


そんな優しさを、俺にまで見せるから……

諦められなくなるんだ。



泣きじゃくる先生を抱きしめた時、俺の頭はただ、後悔でいっぱいだった。


俺も、つい最近、堤ってヤローと同じことをしようとしたんだ。

本当、最低だ。


でも、そんな俺を、先生は笑顔で許してくれた。


――やっぱ、我慢できねぇ。


先生が弱ってるときに、キスなんかして、卑怯かもしんねぇけど……

どうしても、自分を抑えることが出来なかった。


涙の味がした、触れるだけのキス。



多分、この事件の後からだったと思う。

俺が、小さな期待を抱き始めたのは。


――先生も、俺のことを想ってくれてるかもしれない、と。

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