放課後は、秘密の時間…
先生に触れたいのは山々だけど……

でも、付き合ったその日に襲ったりとかしねぇから!


「キスはするけど……それ以上のこととか、しねぇし」


何言ってんだろ。

なんか、言えば言うほど、墓穴掘ってるみたいじゃん。


「じゃ……と、と、泊まっても、い、い?」

「ん。そうしてくれたほうが、俺も安心する」

「………」

「………」


やべぇ、沈黙すんなよ、俺。

何か言わねぇと。


「――俺、先生のことはすげー好きだけど」

「え?」

「好きだから、大切にしたいっつーかさ、とにかく今日は我慢するから。本当、何もしねぇし、安心してよ」

「……市川君」


何故か嬉しそうな顔をした先生は、まるでダイブするように、勢いよく俺に抱きついてきた。


「……ありがと……」

「礼言われるようなこと、言ってねーし」


本当のことだから。


いつか……つーか、近いうちに全部俺のものにするけど。

それが今日じゃないってだけだ。

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