放課後は、秘密の時間…
――そして、今。

俺は、先生と手を繋ぎながら、ベッドの中にいる。


すー…すー…すー…


隣から規則的に聞こえてくる、小さな寝息。


確かに、何もしねぇって言ったけどさ……

そこまで、安心して寝るかよ?


信頼してくれてるのは嬉しいけど、男心には複雑でもある。

熟睡してる先生とは反対に、理性を総動員してる俺はちっとも眠れやしない。


「んん……」


もぞもぞと動いた先生が、俺の方に擦り寄ってくる。


しかも、俺の服を着て。


泊まるつもりじゃなかった先生に、着替えなんかあるはずもなく、パジャマとして俺の服を貸したんだけど……

スソを何重にも折って着てて、これがメチャクチャかわいいんだ。


はぁぁ……

手出さないとか、マジ約束しなきゃ良かった。


つーか、風呂上りで、俺の服着てて、こんだけ無防備で。

しかも、それに自分で気付いてない辺り、先生って最強だよな。


「寝不足決定かよ……」


隣で眠ってる恋人の体温を感じながら、俺は何度目かの溜息を吐いた。


長い夜は、まだ始まったばかりだ。



――END――

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