放課後は、秘密の時間…
土曜、昼すぎまで寝てたオレを起こしたのは、けたたましく鳴り響いた着メロ。


重たい目をぼんやり開けて画面を見ると、

なんだ、拓真じゃんか……


「……ふぁぁ……もしもー…し?…」

「俺、拓真。頼みがあるんだ。二宮先生探すの、手伝ってくんねぇ?」

「は、何だって?……あか、あかりちゃん?」


拓真の切羽詰ったような声に、一気に思考がクリアになって。


『どういうことだよ?』


聞き返そうとしたときには、もう電話は切れてた。


おいおい……

ったく、どうなってんだぁ?


あかりちゃんの実習も終わったし、上手くいったんじゃないのかよ。

事情はよくわかんないけど?


とにかく、アイツの頼みなら聞いてやるか。

つーか、友達思いのオレ、本当いいヤツだよな。



すぐに準備して、言われた通り街中であかりちゃんを探してみたけど、それらしき人は全然いない。

アテもないのに、当然見つかるわきゃない。


一回、拓真に電話した方がいいよな?


そう思って、携帯に連絡すると、すげー沈み込んだ声が応答した。


「行っちまったんだ……」

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