放課後は、秘密の時間…
「――あかりちゃんっ!」

「……斉藤君」

「なんだよぉ、すれ違いかよ~……」


運悪すぎ。


「ねぇ、市川君はどこにいるの?」


この様子じゃ、あかりちゃんも、拓真のことを探してるみたいだ。


あいつ、今電車に向かったところだし、まだ間に合うかも。

間に合ってくれよ。


急いで電話すると、拓真は「すぐに向かう」と早口で答えた。


オレたちはその間に、改札の人ごみから少し離れたところに移動。

あかりちゃんを見ると、真っ赤な顔して、うろうろ視線を彷徨わせてる。



――なるほどね。


こりゃ、拓真が惚れるワケだ。


落ち着きのないとことか、全っ然年上に見えねーし。

守ってあげたいって思わせるオーラ、出てるよな。


まぁ、拓真はSだから、守るよかイジめてんだろうけど。


あかりちゃんを見てると、オレのイタズラ心が疼きだした。


いいコト、教えてやろうかな?


「オレさぁ、拓真はクールなヤツだってずっと思ってたんだけど、それは間違いだったみたいなんだよね」

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