放課後は、秘密の時間…
オレの言葉に、あかりちゃんは首をカクンをかしげてる。


「?」

「あいつさぁ、あかりちゃんのこと話す時、」


声も顔も、今にもとろけそうなんだぜ?


――って、続けることは出来なかった。


パッ。


あかりちゃんの腕を掴んだままだったオレの手が、伸びてきたアイツの手で払われる。


「いつまでも触ってんなよ」


ずっと探してて、やっと見つけた。

会えたことが嬉しいのは理解するけど、


「オレにまで嫉妬すんなよなぁ」

「うるせぇ圭」


お、いつもの拓真じゃん。


あかりちゃんには、今度会った時、続きを教えてやろうっと。

もちろん、拓真のいないトコで、な。


拓真にはいつもノロケられてんだし、それぐらいしたっていいよな?


なんて、オレが計画を立てている間に、


「――こうしてれば、どこにも行けねぇだろ?」


拓真は、自分の腕の中にあかりちゃんを閉じ込めていた。


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