放課後は、秘密の時間…
これ以上ないってくらいに嬉しそうに微笑んだ市川君が、あたしの鼻にキスをする。

そのまま、唇に――……


「カワイイ、先生」


ドキドキして、ドキドキしすぎて。

息も止めて、市川君のキスに目を閉じた。


「おはようのキス、してみたかったんだ」


キスを終えて、ちょっぴり照れたように言った市川君。


もう……反則すぎる。

すごくカッコよくて、でもすごくカワイくて……


どれだけあたしの心をいっぱいにしてくの?


「今日日曜だし……もう少しだけ、こうしてよ」

「……うん……」


余韻にひたりながら、あたしは彼の胸に顔をうずめた。


市川君の匂い……

今来てるこの服も、ベッドも、全部が市川君のもので、かすかに香る甘い匂いにくらくらする。


でも、同じくらいに安心もするんだ。


「遅くなっちゃったけど……市川君、おはよ」

「うん、おはよう」



――両思いになって、1日目。

あたしは、大好きな人の腕の中で、幸せな時間を抱きしめていた。

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