放課後は、秘密の時間…
「市川君なんか……知らないっ……」

「プッ……あははは」

「もー…!やっぱり、あたしのことからかってたんだねっ?」

「だって先生、カワイすぎんだもん」

「かっ……」

「カワイイ」


二回も言わないでっ……

もう、恥ずかしくて溶けそうっ。


こんな、体中熱くて、あたしどうしたらいいの?

逃げ場なんて、どこにもないよぉ。


「怒んないでよ、先生。俺、先生と一緒で浮かれてるだけなんだから」


市川君が?

ウ、ウソだ……

全然、そんな風に見えないもんっ。


「それにさ、俺だって今、心臓ヤバイよ?」


ニッと笑った市川君は、素早くあたしを引き寄せて、


「先生と二人でいるのに、余裕なんかあるワケないじゃん」


頬にチュ、とキスをした。


「ね、先生?」


この行動のどこか、余裕じゃないって言えるのよっ?


今、確信した。

あたし……きっとこれから先も、市川君には絶対敵わない!

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