放課後は、秘密の時間…
頬だけじゃ満足しなかったのか、市川君は唇にもキスを仕掛けてくる。


「……先生、甘い」


甘い……?

多分、クリームメロンパンを食べたから……


「俺さぁ、基本甘ったるいものは苦手だけど……先生の甘さは大好き」

「……あまさ……?」

「先生、甘いじゃん?」


掴んだあたしの指先をペロッと舐めた市川君。


「他の場所も、甘いのかな?」

「い、いちかわく……」

「……試しても、いい?」


ダメに決まってる。

ダメに……決まって……


「ねぇ、先生……」

「……ッ」


そんな色っぽい声で呼ばないでっ。

あたし、ただでさえ市川君の低い声で囁かれると、ゾクッとするのに……


も、も、無理だってばっ……!


必死に後ずさった瞬間、


「――……ます、お昼のニュースをお伝えします」


パッと映ったテレビから、ニュースキャスターが笑顔で挨拶をした。

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