放課後は、秘密の時間…
第四章 視線
「――でさぁ、その生徒がいきなり……って、あかり?」

「………」

「あーかーり!!」

「ひゃぁっ」


気がつくと、大也の顔がドアップにあって、思わず変な声を出してしまったあたし。

心配そうな顔で大也が首をかしげた。


「どうした?今日、ぼーっとしてるな」

「そ、そう?そんなことないと思うけど」

「本当に?疲れたまってんなら無理しないでちゃんと言えよ?――悪かったな、急に会いたいなんて言ってさ」

「ううん、謝らないで。あたしも大也に会いたかったから」

「ん、そっか」


もう、何やってんの……

今日は久しぶりのデートだっていうのに。



――大也から電話があったのは、昨日の夜。


そのまま、話の流れで会うことになって……


今日は日曜日だから、もちろん学校はお休み。

……とはいっても、あたし達は実習生。


授業計画立てたりとか、指導案書いたりとか、やることは本当にたくさんあって、ハッキリ言うと忙しい。

実習先の学校に出勤しなきゃいけないことだって、珍しくないし。


教育実習生にとって、土日の休みなんて、実際ないに等しいんだ。


でも、今日は特別。

お互い忙しいってわかってて、大也はあたしのことを誘ってくれた。

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