放課後は、秘密の時間…
あれれ。

そういえば……


ふと気がついて、あたしは顔を上げて、大也に向き直った。


「ね、大也。お腹すいてない?」

「あ~そういや、昼メシまだだったよなぁ。どっか食いに行こっか!」

「うん、賛成!」


よく考えたら、あたし達、ご飯もまだ食べてなかったな。


時計を見ると、13時30分過ぎ。

お昼時のピークは過ぎてるし、ちょうどいい時間帯かも。


「あかりさ、何食いたい?」

「う~ん……大也はぁ?」

「俺?俺はガッツリ食えるモンかな。結構腹へってるしさ、今は味より量!ってカンジかな」

「ガッツリ、かぁ……」


考え込んだあたしに、大也が笑って付け加えてくる。


「いや、べつにどこでもいいけどさ。あ、俺アレ食いたい!」

「アレって……あっ、わかった、アレね?」


あたしと大也は、付き合ってもうすぐ2年半。


『アレ』の一言だけでも、大也が何のことを言ってるのかがわかる。

こういうの、繋がってるって感じがして、あたしは嬉しかったりするんだ。


ちなみに、大也が言う『アレ』。


何のことかっていうと、近くの食堂『味イチ』の、特大ハンバーグセットのこと。

安いわりに、ボリュームがあって、すごくおいしいんだよね。

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