放課後は、秘密の時間…
そんなわけで。

大也のお気に入りのハンバーグを食べに、あたし達は味イチに向かった。


のれんをくぐると、すっかり顔見知りになったおばさんが、あったかい笑顔で迎えてくれる。


「あら、いらっしゃい」

「おばちゃん、久しぶり!」

「こんにちは」

「大也君もあかりちゃんも、久しぶりねぇ」


最近は忙しくてなかなか来れなかったけど、以前は毎日のように通ったこともあるお店。

一歩踏み入れると、このお店ならではの柔らかい雰囲気に、なんだか安心してくる。


いつもの二人掛けの席に座って、


「おばちゃん、俺、特大ハンバーグセットね。あかりは?」

「えっと……じゃあ、今日のランチAセットでお願いします」

「はいはい、ちょっと待っててね」


お昼時を過ぎたせいもあってか、店内にはあたしと大也しかいないみたい。

しんとしてて、なんか貸切気分。


「あ」


何かを思い出したみたいに、大也がパッとあたしを見た。


「ん?どしたの?」

「前に電話したときさ、実習終わったらぱーっと打ち上げしようとか言ったじゃん。覚えてる?」

「もちろん!今からすっごい楽しみだもん。それがどうかしたの?」

「それなんだけどさ」


大也が続きを言おうとした瞬間。

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