放課後は、秘密の時間…
何がマズイって、そんなのわかんないけど……

でも、なんかマズイって思ったんだもん!


あたし、大也、市川君。

三人とも、それぞれ遠慮して、一言も話さない。


だけど、そんな微妙な沈黙をあっさり破って、


「拓真ぁ、何してんの?――って、うわぁ、あかりちゃんじゃん!!」


声をかけてきたのは、クラス一のお調子者(と呼ばれてる)、武藤君だった。


「だから、先生って呼びなさいっていつも言って、」

「ハイハ~イ、今日は休みだし、お説教はいいじゃん!あらーあかりちゃん、デート中っすか?」

「武藤君……」

「いいよいいよ、否定しなくて。どう見たって、デート中じゃんね。拓真、邪魔しちゃ駄目だって」

「え?……あ、あぁ」

「ほら、あっち行こうぜ」


ものすごい勢いでしゃべって、勝手に会話を終わった武藤君。

彼は市川君の腕を掴んでズルズル引きずりながら、あたし達とは一番離れた奥の席に行った。


一緒に来てた他の子達も、武藤君に続いて歩いていく。

もちろん、あたしに「熱いね~」とか、「彼氏カッコいいじゃん!」なんて、ひやかしの言葉を浴びせながら。


……はぁ。

なんか……すっごい疲れた。


「ぶはっ」


パッと顔を上げると、大也が思い切り笑ってる。

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