放課後は、秘密の時間…
「先生さぁ、ホントかわいすぎ」

「いっ、市川君っ!!」


食堂にはたくさんの生徒がいる。

そんな中、堂々とあたしに爆弾発言ばっかり言う市川君が信じられない。


「誰も聞いてないって」


確かに近くの席には誰も座ってないし、こんな小さな会話、誰にも聞こえてないかもしれないけどっ!


「それでもっ、」

「拓真、あかりちゃん、お待たせー」


抗議しようとしたあたしの言葉は、戻ってきた武藤君の声に遮られた。

手に持ったお盆をテーブルに置きながら、武藤君は不思議そうな顔であたしを見てる。


「あかりちゃん?何で突っ立ってんの?」

「こっ、これはその、」

「まぁいいけど……?とにかく座んなよ」


そんなあたし達を見て、市川君が声をあげて笑い出す。


「なになに~?二人で何の話してたんだよ?」

「べつに何も」

「何だよ、オレだけ仲間はずれかよ。教えろよー」

「先生と俺の秘密だから。ねぇ先生?」


あたしに向けられた、キラキラした笑顔。


「も、知りませんっ!」


市川君のバカッ……!

絶対、あたしのことからかってるんだ。

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